【2014年11月22日 6:49 AM更新】
代診の先生からダイレクト・ボンディングやオールセラミック修復などの治療で欠かせない歯と材料の接着を確実に行うために重要な条件について質問をいただきました。
かぶせものや詰め物をしっかりと歯に接着することで寿命が延びますので、治療を長持ちさせるのには非常に大切なことなのです。
『何度か先生の診療を見させていただいて、先生は接着操作時に3wayシリンジからの水分等により接着面が汚染されてしまうことに非常に配慮されていることがわかりました。
医科歯科大で研修医の時に、接着の際に圧縮空気の缶からのエアーを使用するように指導されたことがあり、そこまでの必要があるだろうか?と当時は疑問に思っていました。
昨日、松田先生からも圧縮空気の缶が良いと聞きました。
3wayシリンジからのエアーはどのような点に気をつけなければいけないのでしょうか。
参考になる資料等ありましたら教えてください。』
“徹底した衛生管理“より
いつも核心を突いた質問を寄せていただいてありがとうございます
通常、多量の湿気や油分等の歯と人工修復物の接着を阻害する成分が室内の空気に含まれていることはありません。
しかし、歯面をしっかり乾燥させるためにコンプレッサーで圧縮された空気が診療では使用されています。
つまり、3Wayシリンジやタービン等の治療機器から噴き出される空気はコンプレッサーやバキュームのモーター等が設置されている機械室内から送られて来ているということです。
機械室は騒音防止のため密閉されていることが多く、油分や水分等の接着阻害因子が含まれた空気がコンプレッサーから送られてくることになります。
せっかく新しい接着材料を使用しても、肝心の歯の表面に水分や油分が吹き付けられてしまっては十分な接着力が発揮されることは期待できません。
その結果として、修復物と歯のすき間から細菌が侵入してむし歯の再発を起こし神経を抜く、あるいは根の治療をやり直す必要が生じる危険性が高まります。
どちらの場合も、詰め物やかぶせ物をはずさないと確実に再治療を行うのが難しいことはご存知のとおりです。
また、コンポジットレジンやセラミックと歯の接着が不十分な場合、材料が歯から外れたり材料そのものが壊れたりする危険性が高まります。
(株)昱工業ホームページより
Akira.pdf
松田歯科医院ではコンプレッサーから送り出される空気を歯科医院専用のデンタル除菌ドライヤユニットで乾燥・油分除去・除菌まで行ってから診療に使用しています。
さらに、3Wayシリンジは水と空気の出口が一緒であるため歯の水洗に用いたシリンジと乾燥に用いるシリンジは別々に使い分けています。
歯科治療に用いる圧縮空気を清潔に保つことの重要性は(株)杉山歯科機械さんのホームページにも詳しく紹介されています。
“コンプレッサーのエアーは問題だらけ?!”
残念ながらコンプレッサーのエアーを清浄にする設備を導入していない場合は、接着を行う直前の乾燥には人体に無害な空気を噴射するスプレー缶を用いるのが有効な解決策となるでしょう。
松田歯科医院
院長 松田拓己
電話025-234-1112
950-2022
新潟市西区
小針7丁目5-13
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