日本では10.5本⇔北欧では0.6本


【2023年4月28日 2:05 PM更新】


西区の歯医者、松田歯科医院の院長 松田拓己(歯科医師)です。

 

 

2004年に予防歯科の先進国スウェーデンにあるイエテボリ大学歯学部 予防歯科学講座の教授 アクセルソン博士は、歯科医院でお口の定期健診と歯科衛生士さんのケアを受け続けることでほとんどの患者さんの歯を残せることを証明されました。

 

(P Axelsson , B Nyström, J Lindhe.The long-term effect of a plaque control program on tooth mortality, caries and periodontal disease in adults. Results after 30 years of maintenance.J Clin Periodontol
. 2004 Sep;31(9):749-57. doi: 10.1111/j.1600-051X.2004.00563.x.)

 

アクセルソン博士のもとで患者さんのお口のケア(PMTC)を30年間行って、1人当たりの歯のなくなる本数を0.6本に抑えた歯科衛生士であるブリギッタ ニーストレンさんのセミナーを松田歯科医院の歯科衛生士に受講してもらってきました。   

 

 

30年間で歯がなくなったのは0.6本だけでした、と言われてもどれだけすごいことなのか?ピンと来ないと思います。  

 

 

日本人の歯は30年経つと何本なくなってしまうのでしょうか?  

平成23年に厚生労働省が行った歯科疾患実態調査の結果を見ると、40代前半の日本人と70代前半の日本人ではお口の中に残っている歯の本数は10本以上減っています。

 

zanzon_teeth.jpg

 

つまり、平均的な日本人は30年間で歯が10本以上抜けてしまうのに北欧の歯のクリーニングで定期健診を受けていた患者さんは歯が抜けない人が半分近いということです。

 

 

このように、素晴らしい結果が証明されている北欧型の歯のクリーニングを松田歯科医院でも実現するために歯科衛生士のWさんには東京まで出かけてもらって来ました。

 

 

お子さんを預けてセミナーに参加するのは負担も大きかったと思いますが、7時間の講義と2時間の実習で多くの成果を上げてきてもらえました 

 

 

Wさんが提出してくれたレポートの一部をご紹介します。

 

《PMTCクリニカルコース 》 :患者さんの歯を97.7%残すことができる本当のPMTC

講師 ブリギッタ ニーストレン女史

 

 

《PMTCまでのキーワード ・流れ》

 

○自己診断…患者さんに自分のリスク部位を確認してもらう

 

・むし歯と歯周病がどこにあり、どの位進行しているか?→レントゲンをみてもらいながら患者さんに説明します

 

・プラーク …どの歯ににどのくらい付着しているか?→歯垢の染め出しを行い、プラークチャート、手鏡または口腔内写真にて説明します

 

・深い歯周ポケット 、むし歯になりやすい場所→どこにあるか、患者さん自身がリスクのある部位をわかっていただけるまで説明、手鏡または口腔内写真で確認してもらいます

 

○セルフケア…患者さんの責任となるところですね。毎日リスクのあるところをコントロールできるかが重要→具体的に何をやってもらいたいか、メモをお渡しする

 

◎むし歯リスクの高い歯と歯の間…フロス、歯間ブラシにて磨いていただいてから、歯ブラシで全体をブラッシング

 

○デブライドメント…専門家が専用の器具を使ってバイオフィルムを破壊し、徹底的にプラークを除去する→特に歯ぐきから出血がみられる部位を重点的に

 

○PMTCを行う際に考えること

※歯ブラシで頰・舌側は、よく磨けるが歯と歯の間は難しい→エバチップ、フロス、エアフローにて隣接面にアプローチする

 

◎年齢が若い程、メンテナンスを受けるのが早い程、歯を残せる確率が高くなります

 

◎年齢に関係なく、歯は守ることは可能です

 

◎患者さんに前回説明したことをどの実行してもらえたか?フォローし、具体的に説明→メンテナンスでは毎回この繰り返しが重要になります

 

歯科衛生士 W

(新潟市西区の歯医者、歯科医|松田歯科医院 勤務)







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