新潟市西区の歯医者、歯科医|松田歯科医院の院長 松田拓己です。
【略歴】
平成2年 新潟大学歯学部卒業
平成2年~5年 新潟大学歯学部付属病院口腔外科勤務
平成5年~6年 長野赤十字病院口腔外科勤務
平成9年 新潟市西区小針にて松田歯科医院開業
「歯の治療を受けなきゃいけないけど、麻酔の注射が苦手で怖いな」と悩んでしまうことはありませんか?
西区で歯医者を始めて25年以上たちますので、患者さんに麻酔の注射を打った回数は数え切れません。
それだけ多くの方に麻酔をしましたが、自分自身が注射をされるのは得意ではありません。
注射の針が身体の中に入る感触は、何とも言えない怖さがありますね。
血液検査を受けたりワクチンの予防接種を受ける際は、とてもドキドキしています。
「痛くない注射をしてもらえるように」と祈りながら順番を待っています。
どこに針を刺すのでも痛みは同じような気がしますが、皮膚と比べてお口の中はさらに敏感なので、歯医者の麻酔が特に怖いのは当然かもしれません。
なので、麻酔が効いてしまえば痛くないとは言っても、そもそも注射が痛いので治療を受けたくないと仰る患者さんの気持ちはよく分かります。
ただ、意外なことに、わたしが新潟大学歯学部で40年近く前に受けた授業では、できるだけ痛くない麻酔の注射を打つ方法を教わっていたのです。
なので、学術的な裏付けのある、痛みの少ない麻酔の打ち方を習っている歯医者の人数は年々増えてきています。
そのおかげもあってか、「最近の麻酔の注射は痛くないので平気ですよ」と安心されている患者さんにもお会いするようになりました。
このように、患者さんが怖くない麻酔の注射をするために一番大切なのは、針が粘膜に入る時のチクッとした痛みを避けることです。
針が身体の中に入って麻酔の薬で痛みがマヒすれば、その後で痛みが出ることはほぼ避けられます。
針が刺さる際の痛みを和らげる手段で、最も有名なのは表面麻酔ですね。
表面麻酔は「麻酔のゼリー」や「麻酔のスプレー」などと呼ばれることが多いです。
「ゼリー」とは言っても麻酔薬なので、味は辛い感じで粘膜の表面がマヒしてビリビリした感じがします。
「表面麻酔を飲んでしまっても大丈夫ですか?」と心配して質問されることも多いですね。
麻酔剤を飲み込むとのど(喉)もビリビリするので心配になりますが、少量ですのでほとんど影響はありません。
ちなみに、表面麻酔は胃カメラの際にのど(喉)にたっぷりと塗られます。
表面麻酔は一般的な方法ですが、できるだけ痛くない麻酔をするコツとしては、粘膜がマヒするまで時間を置くのが大切です。
他にも、針が入る際の痛みを減らす方法としては、針の直径が細いものを選ぶことがあげられます。
注射の針の太さはG(ゲージ)という単位で表されます。
歯医者の麻酔に使う針の中で、細いものはは31G~33G(ゲージ)で直径は0.27~0.2mmです。
さらに細い針もないわけではないのですが、針が細くなれば折れやすくなりますし、強度が落ちるため針を短くしなければならないので使い勝手が非常に悪くなってしまうのです。
また、針が入る際の痛みを減らすのに役立つコツもあります。
針が入る際のチクっした痛みは、皮膚や粘膜の表面から神経を通じて脊髄に伝わります。
ところで、皮膚・粘膜で感じるのは痛みだけではないですよね。
押されたり、引っ張られたり、触られた感覚もあります。
これらの痛み以外の感覚も痛みと同じ神経を通じて脊髄に伝わるのです。
なので、痛みと同時に「押す」「引っ張る」「触る」等の刺激を加えると、脊髄に伝わる痛みの感覚を弱めることができます。
また、注射の針を粘膜に入れる際には、表面を引っ張って緊張させておいた方が抵抗が少ないのです。
そのため、粘膜に引っ張る刺激を加えつつ、表面をピンと緊張させてスムーズに針を入れるのが、痛みの少ない麻酔を行うコツになります。
歯科医師 松田拓己
(新潟市西区の歯医者、歯科医|松田歯科医院 院長)