分かりやすい説明ができる歯医者になりたい


新潟市西区の歯医者、歯科医|松田歯科医院の院長 松田拓己です。

【略歴】

平成2年 新潟大学歯学部卒業

平成2年~5年 新潟大学歯学部付属病院口腔外科勤務

平成5年~6年 長野赤十字病院口腔外科勤務

平成9年 新潟市西区小針にて松田歯科医院開業

 

西区で歯医者を始めて25年たちました。

 

「歯医者で歯の説明をされても良く分からない」

「口の中は暗いので鏡でも見えづらいです」

 

患者さんにお口の中を確認してもらう方法と言えば、手鏡で見ていただくのが一般的です。

 

でも、前歯の表側以外は暗くて良く見えませんし、歯自体が小さいせいもあってむし歯の穴などの細かいところは良く分かりませんね。

 

また、むし歯を見つけるためにレントゲンを撮りますが、白黒で見慣れない画像に戸惑う方が多いようです。

 

わたしたち歯医者は見慣れているので、つい、当たり前のように説明で使ってしまうのですが、「レントゲンを見せられるのは苦手」と仰る方は珍しくありません。

 

例えば、このレントゲンはどの歯を撮影したのか分かりますか?

 

 

ここに写っている4本の歯は左下の奥歯です。

 

ちなみに、右端の白い歯が一番奥の歯で、歯の根が二股に分かれていて神経が取ってあります。

 

レントゲンを見ただけで神経を取ってあると分かるのは不思議でしょうか?

 

他の奥歯と右端の歯を見比べていただくと、下半分に違いがあるのです。

 

右端の歯だけは根っこの中が白くなっていて、他の歯は黒い線があります。

 

実は、この黒い部分に神経と血管が通っているのです。

 

神経や血管は歯よりも柔らかいので、レントゲンでは黒く写ります。

 

ちなみに、右端の歯には硬い銀歯のかぶせ物が入っているので、上半分が真っ白に写るのです。

 

こんな風に、言葉で説明しても分かりづらいのですが、下のように色分けすると大分理解しやすくなると思います。

つまり、白黒のレントゲンでも、わたしたち歯医者の目にはそれぞれの場所が色分けされたように見えているのです。

 

さらに、歯の根っこの周りにある白いモヤモヤした骨の状態もレントゲンから読み取れます。

 

このように、歯ぐきに覆われて目に見えない場所の情報も得られますので、レントゲンはわたしたち歯医者にとって非常に大切な資料です。

 

でも、患者さんにとっては見慣れないし、何となく不気味な印象がありますよね。

 

やはり、日ごろから見慣れている写真の方が、取っつきやすいですし理解もしやすいはずです。

 

そこで、西区で歯医者を続けて10年ほど過ぎたころに、前歯~奥歯までお口全体の写真を撮影できるように研修に参加しました。

 

当時勤務してもらっていた歯科衛生士のNさんが、ぜひ写真を撮れるようになりたいです、と言ってくれたのがきっかけです。

 

お口の写真を撮影しておくと、年数が経った後でどのような変化があったか確認できます。

 

また、患者さんと一緒にお口の写真を見ながら説明させていただくと、歯石がたまったり歯の色が変わったりしている場所が分かりやすいので、セルフケアの注意点をスムーズに理解していただけるのです。

 

ただ、お口の状態の変化を観察するには、同じ構図・同じ倍率で規格性のある写真を撮影しなければなりません。

 

ところが、歯を正面からきれいに撮影するのは意外と大変な作業だったのです。

 

その理由は、お口が大きく開かなかったり、唾液がすぐにたまって歯が隠れたり、舌や頬など歯を写すのに邪魔になるものがたくさんあるからでした。

 

さらに、奥歯をきれいに撮影するためには、お口の中に鏡を入れて反射した像を写真にしなければなりません。

 

そんなわけで、お口全体の写真を撮るのは想像以上に難しく、あっという間に挫折しそうになりました。

 

でも、何とか踏みとどまって写真が撮影できるまで努力できたのは、研修を企画して下さった日本ヘルスケア歯科学会のT先生のおかげです。

 

T先生が研修会の趣旨について話してくださった内容をご紹介します。

「講習会やシンポジウムに出た後はいつも、「よーしやるぞー」という気持ちになっているのに、日が経つにつれその気持ちが薄れていき、結局何も変わらなかったという体験はありませんか。

 

高くなったモチベーションは、何もしなければ下がっていくものですので、ある意味当たり前の結果なのですが、それではせっかく時間とお金を割いて来た意味がありませんよね。

 

この研修会は、そのような結果にならないように、ヘルスケア型診療所づくりの各段階を参加者みんなで一緒に行動し、ステップアップしていけるようにフォローしていくためのものです。」

 

セミナー等で良い話を聞いても診療所に帰ると面倒になってしまって、成長できない自分を見られているようでドキッとしたものです。

 

写真を撮影する一眼レフカメラやマクロレンズ、専用のフラッシュの選定から、撮影のスキルアップまで、T先生には1年近くフォローしていただきました。

 

奥歯の裏側がどうしてもきれいに撮影できなくて、投げ出したくなった時も、T先生の親身なアドバイスで乗り越えられたのです。

 

今では、松田歯科医院が西区で予防を続けるうえで欠かせない写真撮影の技術を教えていただいて本当に感謝しています。

 

 

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歯科医師 松田拓己

(新潟市西区の歯医者、歯科医|松田歯科医院 院長)



TEL:025-234-1112