土屋和子先生のセミナーを受講しました
新潟市西区の歯医者、歯科医|松田歯科医院に勤務している歯科衛生士のNです。
フリーランスの歯科衛生士として有名な土屋和子先生のセミナーをリモートで受講しました。
開催日時が木曜日の午後1:00~4:00で、診療時間とかぶっていましたから院内の控室でZoomの画面を見ながら勉強しました。
セミナーを受講する前には、先生の著書である『土屋和子の超音波スケーリング』(生活の医療社 刊)を読んで参考にさせていただきました。
内容がコンパクトにまとまっていて、セミナーの内容を理解するのにとても役立つ本です。
今回のセミナーは実習付きでしたが、リモートでどうやって実習をするのか?不思議でした。
でも、受講日の2,3日前に機材が届いて、実習の様子をスマホで撮影して講師に見ていただくためのスタンドが入っていたのです。
なので、セミナーはiPadのZoomアプリで受講して、私が実習している手元の動きをスマートフォンのZoomアプリで送信する仕組みになっていました。
セミナーの参加者は10名で、対面形式だと講師が順番に指導する形になります。
そのため、講師が受講生の手元を見ている時間はそれほど長くないですね。
でも、Zoomだと全員の手元が常に講師に見られていることになりますから、緊張感が途切れません(笑)
シックルスケーラーの使用方法について詳しくお聞きする機会は少ないので、患者さんの歯石をきれいに取り除くのに役立つ知識を教えていただけて感謝しています。
メンテナンスの際には、下の前歯の裏側に歯石がたまっていることが多いです。
シックルスケーラーは大量の歯石を取るのに向いていますが、かま形の刃の部分が軸にまっすぐについているため、歯の表面にぴったりと当てるのが難しいと感じる場面がありました。
でも土屋先生が開発されたシックルスケーラーは刃と軸に角度がついているので、歯面を見やすくてぴったりと当てられます。
この角度を活かして、お口が開きづらい患者さんのメンテナンスや奥歯など狭い空間での歯石とりに活用したいです。
歯科衛生士 N
(新潟市西区の歯医者、歯科医|松田歯科医院 勤務)
土屋和子先生のセミナーのまとめ
・歯石は細菌の温床になるため、定期的に取り除く必要があります
・SRPは歯根セメント質に付着した歯石を除去し、根面をスムーズにすることにより、失われた付着を回復するための処置。
・縁上歯石には唾液が関与。付着面はエナメル質(ツルツル)。
・縁下歯石には歯肉溝滲出液や血液等が関与。付着面はセメント質・象牙質(凸凹)。
・モース硬度 エナメル質:6~7度 象牙質:5~6度 セメント質:4~5度
・セメント質の厚さは歯冠に近いほど薄い。20~50μm。
※髪の毛の直径が約50μm ☆セメント質は非常に薄くて軟らかい組織
・歯根膜は重要な役割を持つ。
①歯根と歯槽骨をつなぐ いわば貝柱のような役割。
②クッションの役割 強い咬合力にも耐える。
③感覚の受容 歯根膜から脳に伝わる。
・歯根膜は結合組織で、結合組織はセメント質由来。
☆セメント質がないと結合組織は発生しない ☆SRPでセメント質を傷つけてはいけない
・今回のセミナーはシャンクに10°、15°、20°の角度がついた3種類のシックルスケーラーについて。
・使用部位の目安としては、10°が前歯~小臼歯部、15°が隣接面・捻転歯や叢生歯、20°が最後臼歯部となっているが、歯列や形態など状況によって適宜使い分ける。
・スケーラーの刃は歯面に対して70~80°に当てると使いやすいとのこと。
・頬側面、口蓋・舌側面、最後臼歯遠心面では、刃先を根尖方向に向けて使用。
・縁上と縁下に対して使用できる。
・シックルタイプは先端を繊細に使うことが重要。先端を歯面から離さない。
・レストを安定させ、軽い力でスケーラーを持ち、歯石の感じ取ったときだけ力を入れる。
・ストロークはとにかく小さく。手指屈伸運動が基本。縁下では前腕回転運動は動きが大きすぎる。
☆耳かきをするような小さく動かすストローク