唇にできた腫れがいつまでも無くなりません


【2023年2月20日 6:04 AM更新】


新潟市西区の歯医者、松田歯科医院の院長 松田拓己(歯科医)です。

 

あなたはお口の中に小さなできものができて、自然に消えてしまった経験をお持ちでしょうか?  

 

下の唇の内側で糸切歯が当たるところは咬みやすいため傷になりやすく、口内炎などができやすい場所です。  

 

以前からむし歯予防のフッ素塗布で新潟市西区から通院されている小学1年生のMちゃんが、唇のできものが腫れたりしぼんだりを繰り返しているということで来院されました。

  niigata_whitening_mucocele1.JPG

 

特に痛んだりすることはなく腫れが続くということで、口内炎とは違います。  

 

腫れがあっても痛みや火照った感じ、赤み等はないのでばい菌が感染した炎症でもありません。  

 

この病気は粘液嚢胞と呼ばれ、お口の粘膜の内部に多数存在する小唾液腺の出口がふさがるために起こります。  

 

糸切歯のようにとがった歯があたりやすい場所は粘膜に傷がつきやすく、出口のなくなった唾液は粘膜の内部にたまってしまいます。  

 

唾液がゆっくりたまってもほとんど痛みは無く、腫れが大きくなると粘膜が薄くなった場所から唾液が漏れるので一時的に腫れはしぼみます。  

 

運がよければ新しくできた出口から唾液は流れ続けるので腫れは起きなくなります。  

 

しかし、もともと糸切歯があたりやすい場所なので新たな出口にも傷ができてふさがることも多く、腫れを繰り返すうちにMちゃんのように治りづらいできものになってしまう場合があります。  

 

腫れを取り除くだけでは再発を繰り返すため、根本的な治療方法は唾液を作り出す小唾液腺を取り除く手術となります。  

 

小さいお子さんの手術ということでご両親は慎重に検討されて、腫れが続くために歯が当たって痛みや出血が頻繁に見られるようになったため根本的に治療することを選択されました。  

niigata_whitening_mucocele2.JPG

 

小唾液腺摘出の手術については、新潟大学歯学部第一口腔外科学教室の先輩であり新潟医療センターの歯科医長を長年勤められている道見登先生にお願いしました。  

 

道見先生は難症例の埋伏抜歯や今回のような嚢胞の手術、腫瘍病変の診断・治療等の高度な口腔外科診療を引き受けてくださるので、いつも感謝しております。  

 

おかげさまでMちゃんの手術も無事に終わり、傷口もきれいに治っています。

 

今後も定期的なフッ素塗布とともに経過を見させていただく予定です。

 

歯科医師 松田拓己 

(新潟市西区の歯医者、歯科医|松田歯科医院 院長)

 

参考) 口腔粘液嚢胞の臨床統計的検討

著者. 横林敏夫. 収録「新歯会誌 」13, 23-27, 1983.  

 

 

 

 

 

新潟市西区の歯医者、歯科医|松田歯科医院の情報

住所:新潟県新潟市西区小針7-5-13

電話:025-234-1112

https://www.matsudadent-whitening.jp/ 

 

 







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