歯の土台を建てる際に考えるべきことは?1


【2022年3月24日 6:50 AM更新】


今回も代診の先生から診療に対する考え方について鋭い質問をいただきました。 『本日はウェットボンディング法を応用したレジンコアの接着に関してお聞きしたいと思います。 根管象牙質へのコアの接着に関しては、防湿等の技術的問題、象牙質の状態等の組織学的(?)問題から、なかなか高い接着力を出すことが難しいと聞いたことがあります。 また、ウェットボンディング法という技法も、修復の教科書等でしか見なくなった、ボンディングシステム改良段階の古い方法だというように認識していました。 しかし、接着に理想的な条件がそろわない環境においては、それを逆手に取ったウェットボンディング法というのは理にかなっていると思いました。 全く初めて聞いた手法でしたので、先生がそのような技法に至る源となった資料あるいは、考えがありましたら教えてください。』 StudyofResinsealer.jpg北海道歯誌 34:87-96,2014.」より ご質問ありがとうございました。 当院は開業して17年を経過しましたが当初は直接法用のレジンコア(ベルフィールコア)あるいはメタルコアをスーパーボンドで接着する方法で支台築造を行っていました。 北海道大学歯学部の中澤篤史先生(歯周・歯内療法学教室)らの論文ではスーパーボンドによる根管の封鎖性は良好であることが実験で証明されています。 水分があるところから硬化するスーパーボンドの特性が大きく寄与しているものと思われますがメタルコアを使用することによる歯根破折の危険性が悩みでした。 開業して数年経ったころに(株)クラレが旧製品から大きく改良されたパナビア フルオロセメントを発売し柏田 聰明 先生が同製品を用いた新しい支台築造法を提唱されました。 『進化したコンポジットレジン支台築造ADgel_panavia.jpg 歯根破折を予防するために歯質と弾性率が近似しているCRコアを強力に根管象牙質に接着するためにクラレ社のADゲルで有機物を除去してからコンポジット系接着レジンセメントを使用する方法です。 発表と同時に当院でも導入し、すでに10年以上経過しても問題なく機能している補綴物が非常に多く存在しており柏田先生の理論の正しさを日々実感しています。 現在でも松田歯科医院で行う支台築造の根幹となっている考え方です。 松田拓己 求人情報 〒950-2022 新潟県新潟市西区小針7丁目5−13 025-234-1112







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